桂庵の仲間「日傭座」とは?

桂庵が3カ月、半年、1年などの期間の契約のある派遣業者だとすると、期間の定めのない業者。1日のみ!というド短期の仕事を紹介する業者も存在していました。その短期派遣専門の業者は「日傭座」と呼ばれていました。

桂庵は個人が行う人材紹介、人材派遣でしたが、日傭座は桂庵が人材の全てを管理する事がないよう幕府が管理機関として設置しました。日傭座は、江戸の街で日傭(日用、日雇)人を取り締まる為に設けた機関です。

民間に美味しい思いばかりをさせないように国だって儲けてやろう!といったものだと思うと分かり易いかと思います。

日傭座は主に土木工事などの肉体労働に従事する作業員をメインに活動していました。1日のみの短期作業で、しかも土木工事などのブルーカラーの仕事ですので、桂庵のような事前教育や派遣後のアフターフォローが必要なく、とりあえず今日1日働いてくれればいい、という簡単な案件ばかりを取り扱っていました。そういった事もあり、働き手は男性ばかりでした。体力があればいい、力があればそれでいい。そういった人間を集めては力仕事を任せていたようです。

しかし、日傭座が幕府の機関といっても、それを取り締まるのは人間です。桂庵ばかりを儲けさせないように設置した機関ですから、日傭座も同様に高マージンによる不正が後を絶たなかったようです。

奉公人達は本来貰えると思っていたお金も貰えず厳しい仕事をさせられた事によって、仕事中に逃げ出してしまったりするというトラブルも多々あったようです。幕府は取り締まる為の機関すらも取り締まれない事に頭を悩ませ組合を作って雇用の安定を図ったりもしましたが、人が管理する事ですから、不正は止める事が出来ず、トラブルは絶えなかったようです。

現代の派遣法が制定された背景には、こういった不正をさせない!という政府の意図が組み込まれているような気がします。